日本水産学会誌
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ミトコンドリアDNAの塩基配列から推測した日本産ニシンの集団構造と個体群動態史
藤田 智也北田 修一原田 靖子石田 ゆきの佐野 祥子大場 沙織菅谷 琢磨浜崎 活幸岸野 洋久
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2017 年 83 巻 2 号 p. 163-173

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抄録

 北海道から東北太平洋沿岸の産卵場9か所において2003年から2014年に採取したニシン16標本618個体についてmtDNA調節領域の塩基配列549 bpを決定した。FSTのNJ樹は,北海道,尾駮沼,宮古湾・松島湾のクラスターを描き,本州より北海道で遺伝的多様性が高かった。東日本大震災後の宮古湾ではハプロタイプ頻度が震災前と大きく異なり,尾駮沼に酷似した。北海道では約60万年前から集団が拡大,本州では20万年程度安定していたが,最終氷期後の温暖化と一致して2万年ほど前から急減していると推測された。

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© 2017 公益社団法人 日本水産学会
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