日本水産学会誌
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塩溶解性を利用したツノナシオキアミEuphausia pacificaタンパク質の回収およびその加熱ゲル形成能
天野 かよ髙橋 希元岡﨑 惠美子大迫 一史
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2017 年 83 巻 2 号 p. 207-214

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抄録

 ツノナシオキアミを練り製品原料として利用するために,タンパク質をNaClで溶解後に希釈し,沈殿して回収する方法を検討した。回収したタンパク質は,Ca-ATPase活性およびMg-ATPase活性が高く保たれた。また,SDS-PAGEにおいて回収工程におけるタンパク質の分解が確認されたが,80-90℃加熱でゲルを形成した。以上より,本方法で本種タンパク質の変性を抑制し回収できること,また回収したタンパク質が加熱ゲル形成能を持つことが示唆された。

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© 2017 公益社団法人 日本水産学会
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