2017 年 83 巻 5 号 p. 758-763
サケでは従来,鱗による年齢査定が行われてきたが,成熟が進むと鱗による年齢査定が困難になるという難点があった。そこで本研究では,サケの耳石薄片法,耳石表面法,鱗による年齢査定の作業効率と正確性を比較検討した。耳石温度標識によって年齢がわかっている個体から得られた耳石と鱗における査定の結果,鱗および常法よりもさらに研磨を進めた約80 μmの耳石薄片では正確性が100%となった。この正確性と作業効率を合わせて考慮すると,鱗と耳石薄片法を使い分けることが妥当であると考えられた。