2018 年 84 巻 1 号 p. 14-22
クロマグロThunnus orientalisの資源管理が強まる中,定置網漁業では同小型魚とその他を獲り分ける技術の開発が求められている。クロマグロとその他魚種の網内の行動に違いがあれば,それを利用した獲り分けが期待できる。ここでは,クロマグロ小型魚とブリSeriola quinqueradiataの網内行動を,超音波テレメトリーでモニタリングした。その結果,クロマグロでは第2箱網と第1箱網間の行き来が,ブリでは金庫網への入網が確認された。こうした違いを利用すれば,両種の選別漁獲の可能性がある。