2021 年 87 巻 3 号 p. 265-274
道東産マイワシの高品質な生食用冷凍商材の開発を目的に,港に水揚げされた直後の鮮度を調査し,凍結前鮮度が解凍後の品質に及ぼす影響を調べた。道東産マイワシは,漁獲時期によってはATP含量が高く,pH6.5以上および乳酸含量の低い,高鮮度な個体が水揚げされることが明らかとなった。この高鮮度マイワシは水揚げ直後に急速凍結すること,または水揚げ後氷蔵5時間以内に急速凍結したのち−40℃以下で保管することにより,肉質に優れ,血合肉色調の劣化が少ない生食用冷凍商材となる可能性が示唆された。