日本水産学会誌
Online ISSN : 1349-998X
Print ISSN : 0021-5392
ISSN-L : 0021-5392
報文
北海道東部地域で水揚げされたマイワシSardinops melanostictusの凍結前鮮度が解凍肉の品質に及ぼす影響
守谷 圭介宮崎 亜希子小玉 裕幸阪本 正博蛯谷 幸司
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 87 巻 3 号 p. 265-274

詳細
抄録

 道東産マイワシの高品質な生食用冷凍商材の開発を目的に,港に水揚げされた直後の鮮度を調査し,凍結前鮮度が解凍後の品質に及ぼす影響を調べた。道東産マイワシは,漁獲時期によってはATP含量が高く,pH6.5以上および乳酸含量の低い,高鮮度な個体が水揚げされることが明らかとなった。この高鮮度マイワシは水揚げ直後に急速凍結すること,または水揚げ後氷蔵5時間以内に急速凍結したのち−40℃以下で保管することにより,肉質に優れ,血合肉色調の劣化が少ない生食用冷凍商材となる可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 日本水産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top