2021 年 87 巻 4 号 p. 375-385
瀬戸内海から豊後水道東部(以下,宇和海)の水温環境の異なる6か所において,ヒジキ,ワカメ,トサカノリの養殖を行った。6か所間には2-3月に最大で5℃程度の水温差があった。ヒジキは養殖期間を通じてほぼ15℃以下であった瀬戸内海よりも宇和海で良く成長したが,宇和海最南の実験地では食害が原因と推測される藻体の消失が起こった。ワカメは瀬戸内海から宇和海北部で成長したが,宇和海南部では同様に消失した。トサカノリは水温が高い宇和海南部で良く成長したが,瀬戸内海では春季の1時期を除き成長せず,藻体は枯死した。