2021 年 87 巻 5 号 p. 473-482
サケ科魚類の人為雑種において,性比が一方に偏る例が報告されてきたが,これらは生殖腺の表現型に基づく。本研究では,カラフトマスとサクラマス間の正逆雑種について,雄特異的な性決定遺伝子sdYの有無による遺伝的性を検討した。その結果,カラフトマス雌×サクラマス雄,サクラマス雌×カラフトマス雄の8か月齢魚の遺伝的性は雌に,サクラマス雌×カラフトマス雄の12か月齢魚は雄に偏った。初期胚と孵化仔魚の遺伝的性比は1:1であったことから雑種の性比の偏りは成長過程における生残率の雌雄差により生じたと考えられた。