2023 年 89 巻 3 号 p. 244-249
石川県の伝統食品であるふぐの子糠漬けは,一般には食用が認められていないゴマフグ卵巣を原料に,塩漬けと糠漬け工程を経て製造される。本製品の毒性検査はマウスを用いた動物試験であるが,将来的な機器分析法への移行に備え,機器分析に適した前処理法を開発し,食品としての安全性が担保できるか検討する必要がある。本研究では,活性炭カートリッジを前処理に用いて,ふぐの子糠漬けに含まれる塩類を効率よく除去し,テトロドトキシン類を高回収できる手法を開発した。本法を市販のふぐの子糠漬けに適用し,規制値との関連を調べた。