日本水産学会誌
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2010年代の10年間にわたる長崎県野母町地先の藻場の変化
門田 立 八谷 光介吉村 拓邵 花梅清本 節夫
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2023 年 89 巻 4 号 p. 330-337

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抄録

 長崎県野母町地先の藻場の変化を把握するため,2010年から2019年にかけて海藻と水温のモニタリングを行った。調査開始時はクロメ,ノコギリモク及びアントクメなどの大型海藻が優占したが,2013年12月までにクロメとノコギリモクが消失した。アントクメは2016年に急激に減少し,それ以降,小型海藻が優占する藻場となった。16年は春の平均水温が最も高く,アントクメには魚類の食痕があったことから,水温上昇に伴う魚類の採食圧とアントクメの生産力のバランスの変化がアントクメの衰退要因になった可能性がある。

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