論文ID: 16-00073
近海かつお一本釣りにより九州周辺で漁獲されるカツオの体長,肥満度および遺伝的特性を比較した。九州西方漁場では尾叉長50-60 cm FL付近主体で肥満度の高い群が大半を占め,40-70 cm FLの複数の体長群が出現するトカラ列島漁場とは異なった。mtDNA分析では異なる集団と判断されなかった。海洋条件も考慮すると,トカラ列島周辺に分布する魚群のうち,約50-60 cm FLで肥満度が高い個体のみが黒潮流路付近の水温フロントを超えて九州西方海域に北上する,サイズスクリーニング現象が起こっていると推察された。