論文ID: 20-00047
種々のアユ種苗が放流されている淀川水系では,海産アユ,琵琶湖産アユのいずれの系統が定着して再生産に貢献しているのか明らかになっていない。淀川水系におけるアユ系統の繁殖貢献および分布を解明するため,産卵場のアユ,河口域および沿岸域のアユ仔稚魚および遡上アユについてマイクロサテライトDNA多型解析による系統判別を行った。いずれの生活期の標本群においても,海産系統に帰属する個体が多かったが,琵琶湖産系統に帰属する個体も認められた。また,琵琶湖産系統のアユが再生産を行っていることが示唆された。