日本水産学会誌
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和歌山県沿岸に設置された表層型浮魚礁周辺におけるカツオの移動,食性,肥満度および成熟
山根 弘士 安江 尚孝清藤 秀理
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論文ID: 21-00030

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抄録

 和歌山県沿岸の表層型浮魚礁周辺で漁獲されたカツオの移動,食性,肥満度および成熟を調べた。浮魚礁での標識放流後に再捕された39個体のうち,25個体が放流元の浮魚礁での再捕であった。胃内容物分析では,各漁獲日における餌生物の摂餌個体率は0-28.6%であった。卵巣の観察では,未熟段階が全体の76.9%と多く,産卵可能な状態の個体は少なかった。以上より,浮魚礁は高い集魚効果が示唆されたが,その周辺は必ずしも摂餌場となっているとは限らず,産卵規模は小さいと考えられた。

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