36 巻 (1970) 4 号 p. 337-344
北海道八雲産ウバガイの精巣の周年変化について組織学的研究を行ない次の結果を得た。
1. 雄性生殖細胞の成熟過程はその細胞学的特徴により5期に区分でぎた。(1) 精原細胞期, (2) 第一次精母細胞期,(3) 第二次精母細胞期, (4) 精細胞期, (5) 精子期。
2. 精巣の成熟度はそれを構成する生殖細胞の細胞学的特徴および成熟精子の量に基いて6期に区分し得た。(1) 放精終期, (2) 休止期, (3) 成長前期, (4) 成長後期, (5) 成熟期, (6)放精期。
3. 本種の精巣は9月から11月まで休止期にあるが, 12月から精原細胞の増殖分裂が起り成長前期に入る。2月から4月中旬まで成長後期の精巣が認められ, 4月下旬から成熟期に入つて成熟精子が急速に生産され, 5月下旬より6月上旬にかけての放精期に至る。その後残存精子等の吸収が行われる放精終期が8月まで続ぐものと思われる。