67 巻 (2001) 6 号 p. 1039-1050
新しい世紀の初頭に当り, 前世紀において行われた魚類および他の水生生物の脂質に関する研究を著者らの研究を中心にして総説した。魚類における高度不飽和脂肪酸の起源に関し, リノール酸からアラキドン酸へ, またα-リノレン酸からエイコサペンタエン酸を経てドコサヘキサエン酸への代謝経路を明らかにし, さらに水界食物連鎖のモデル実験を行った。それらの結果をもとに, 魚類での血液栓球におけるプロスタグランジン生合成と血液凝集, 鯉の鰓でのリポキシゲナーゼ産生物等についても研究した。また水産脂質の不けん化物および非グリセリド脂質に関する研究として, 炭化水素スクアレン, キミルアルコール等のグリセリルエーテルおよびワックスエステルについても総述した。