2003 年 69 巻 5 号 p. 770-781,853
東京湾南西部を中心とした海域に堆積するごみを1995~2000年にかけて小型底曳網により調査した。6年間の調査で計26,940個(1,691kg)のごみが回収され,そのほとんどが買い物袋,包装袋などのプラスチック製品および飲料缶などの生活用品であった。調査の結果,底曳網により回収されるごみの量は,年々減少する傾向がみられ,1995年の338個/km2から2000年の185個/km2へと半減していた。ごみの減少は底曳網による海底清掃などの効果によるものと考えられた。回収した飲料缶の製造年組成を調べ,Virtual Population Analysisによって海中における飲料缶の残存率をアルミ缶およびスチール缶についてそれぞれ0.47および0.38と推定した。