膵臓
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症例報告
膵癌術後の肺転移に対して塩酸ゲムシタビン投与を継続し, 長期観察しえた1例
諏訪 裕文馬場 信雄畦地 英全雑賀 興慶崎久保 守人上村 良大江 秀明岩崎 稔吉川 明石上 俊一田村 淳小川 博暉坂梨 四郎
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2005 年 20 巻 6 号 p. 547-553

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抄録

症例は62歳の男性. 膵頭部癌にて膵頭十二指腸切除術を施行した13カ月後, 胸部CTにて多発肺転移を指摘された. 塩酸ゲムシタビン1,000mg/m2の点滴静注を週1回行い, 3週投薬後1週休薬のスケジュールを1クールとして化学療法を開始した. 消化器症状や血液毒性がほとんど認められず, 第2クールからは外来通院で行うこととした. 第2クール後のCTで抗腫瘍効果はNCであり, 第3クールからはQOLの維持と長期投与を目的として塩酸ゲムシタビンの1回投与量を700mg/m2に減量した. 以後, 副作用なく癌性胸水の出現まで長期間NCを維持し, 外来にて14カ月間の継続治療が可能であった. 膵癌術後の肺転移再発の予後は極めて不良であるが, 本症例のように, ゲムシタビン治療により, 外来でQOLを維持しながら長期生存が可能な場合もある.

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© 2005 日本膵臓学会
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