膵臓
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特集:膵癌化学療法の最前線
当科における進行膵癌に対する化学療法―塩酸イリノテカン(CPT-11)の治療成績も交えて―
澄井 俊彦藤森 尚船越 顕博
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2007 年 22 巻 1 号 p. 52-56

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抄録

進行膵癌の一次化学療法薬としてgemcitabine(以下GEM)が使用されるようになった2001年以降の当施設における化学療法の現状と後期第II相臨床試験が終了した塩酸イリノテカン(以下CPT-11)の治療成績(n=37)を報告する.対象は2001~2004年に当科で経験した進行・再発膵癌症例89例で50%生存期間(MST)は7.9ヶ月,1年生存率(1y-SR)は23.9%であった.これは5-fluorouracil(5-FU)を主体に治療していた1991~2000年(n=60)のMST4.8ヶ月,1y-SR8.0%に比べ明らかに向上していた.CPT-11の臨床試験では奏効率27.0%,MST7.3ヶ月,1y-SR 29.5%で膵癌治療に有用であるとの成績を得た.

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© 2007 日本膵臓学会
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