膵臓
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特集:膵内分泌腫瘍の最近の知見
膵内分泌腫瘍の診断と内科的治療-2. ガストリノーマ-
河本 泉今村 正之
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2008 年 23 巻 6 号 p. 685-690

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抄録

膵消化管内分泌腫瘍(GEPNET)は比較的悪性度が低いといわれているが,微細なガストリノーマでも転移をきたしていることが多い.GEPNETの根治的治療法は外科的切除のみであるが,転移の広がりによっては根治的手術が困難な場合や手術適応とならない場合がある.CTなどの画像検査だけでなく,内視鏡検査,選択的動脈内刺激薬注入法など複数の検査を併用して正確な腫瘍局在診断を行い,手術の適応を検討することが大切である.手術適応とならないガストリノーマの標準的治療法は確立していない.このようなガストリノーマに対しても全身化学療法,ソマトスタチンアナログ,肝動脈塞栓術,肝動脈化学塞栓療法などを組み合わせた集学的治療を行うことで予後の延長が期待でき,積極的に治療を行うことが重要と考える.

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© 2008 日本膵臓学会
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