膵臓
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症例報告
卵巣様間質のない嚢胞を伴う浸潤性膵管癌の1例
清水 泰博安藤 公隆佐野 力千田 嘉毅二村 雄次水野 伸匡高木 忠之原 和生谷田部 恭細田 和貴山雄 健次
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2009 年 24 巻 4 号 p. 507-512

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抄録

症例は50歳代,女性.糖尿病と体重減少で2007年9月に前医を受診,膵尾部に嚢胞性腫瘍を指摘され精査加療目的で当院紹介.US,CT,EUSで膵尾部から腹側に突出する径8cm,比較的厚い被膜を有する嚢胞を認めた.嚢胞と膵の境界部には2cm大の充実性腫瘤が存在し,脾静脈は閉塞し,膵後面結合織への浸潤が疑われた.以上の所見から,浸潤性粘液性嚢胞腺癌を第一に考え,10月膵体尾部·脾切除,横行結腸切除,左腎部分切除を施行した.切除割面で嚢胞は単房性で,嚢胞壁に連続して3.5cmの結節が存在した.病理所見では充実性部分は管状腺癌の所見で,癌は3/4周にわたり嚢胞壁に沿って浸潤,また脾静脈,横行結腸,腎被膜にも浸潤していた.嚢胞上皮は腺腫∼癌の所見を認めたがovarian-like stromaは認めなかった.本例の病態としては浸潤性粘液性嚢胞腺癌,膵管内腫瘍由来浸潤癌,通常型膵癌+貯留嚢胞の可能性が考えられたが,いずれかに決定できる所見は得られなかった.

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© 2009 日本膵臓学会
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