2009 年 24 巻 6 号 p. 652-654
慢性膵炎臨床診断改訂基準では,現行基準と同様,慢性膵炎を非可逆性,進行性の病態と捉え,可逆性の病態をとりうる自己免疫性膵炎と閉塞性膵炎は"膵の慢性炎症"として別個に扱った.また,アルコール性慢性膵炎と非アルコール性慢性膵炎の臨床病態が異なる事より,改訂基準では慢性膵炎を成因別にアルコール性と非アルコール性の2種類に分類した.改訂基準では現行基準と同様,所見の特異性の高さによって慢性膵炎の診断を確診と準確診の2段階としたが,準確診例でも膵炎を疑わせる臨床症状や検査値の異常を認めた場合,確診に診断をgrade upできる事とした.さらに改訂基準では,より早期に慢性膵炎を診断できるよう,早期慢性膵炎の概念を取り入れた.