膵臓
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症例報告
ステロイド治療後早期にFDGの集積が低下した自己免疫性膵炎の1例
肱岡 範水野 伸匡澤木 明原 和生今村 秀道田近 正洋河合 宏紀近藤 真也松本 和也小林 佑次佐伯 哲鈴木 晴久赤羽 麻奈細田 和貴谷田部 恭清水 泰博丹羽 康正山雄 健次
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2009 年 24 巻 6 号 p. 709-716

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抄録

症例は41歳,女性.腹部の鈍痛,褐色尿,および左眼瞼腫大を主訴に当院紹介となった.血液検査にて高IgG4血症,腹部CTにてびまん性膵腫大および膵内胆管壁肥厚,ERPにて主膵管のびまん狭細像,FDG-PETで膵へのFDGのびまん性集積を認め,自己免疫性膵炎が疑われた.EUS-FNAでは悪性所見を認めず,またUS-TCBにてlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitisを認め,自己免疫性膵炎と診断した.また,ステロイド投与後3日目にFDG-PETを施行し治療前と比較したところ,膵および膵外病変はともにFDG集積の著明な低下を認めた.ステロイド治療前後のFDG-PET検査は,自己免疫性膵炎における早期の治療効果判定,および癌との早期鑑別診断に有用な検査法になり得ると考えられた.

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© 2009 日本膵臓学会
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