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膵臓
Vol. 26 (2011) No. 2 P 142-152

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http://doi.org/10.2958/suizo.26.142

特集:膵臓・膵島移植の現況と最新の研究

臓器保存法は歴史的に主に腎移植の領域で研究,開発が進められ,灌流保存法(hypothermic pulsatile perfusion)が提唱され,臓器保存液による単純浸漬保存法(simple cold storage)がそれに続いた.膵保存では灌流保存法は臨床応用に至らず,1980年代に開発されたUniversity of Wisconsin solution(UW液)による単純浸漬保存法は長期膵保存を可能とし,現在でも標準的保存法である.いくつかの新規保存液が開発され臨床応用されているが,現時点でUW液を凌駕するエビデンスはない.本学で開発されたPerfluorochemical(PFC)と臓器保存液を用いた二層法膵保存は,PFCにより保存中の臓器に酸素を供給できるという特性を有する.二層法は主に膵島移植において2000年以降北米を中心に臨床応用され,優れた成績を示した.近年,従来のUW液の代わりにM-Kyoto液を用いた二層法や膵管内注入保存法などによりさらに優れた成績が報告されている.
マージナルドナーや心停止ドナーからの膵臓移植,1ドナー1レシピエントでの膵島移植の実現など,今後も臓保存法が果たす役割は大きく,さらなる研究,発展が望まれる.

Copyright © 2011 日本膵臓学会

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