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膵臓
Vol. 26 (2011) No. 4 P 563-568

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http://doi.org/10.2958/suizo.26.563

症例報告

症例は34歳,男性.腹痛を自覚し近医を受診した.腹部超音波検査,腹部CT検査にて膵鈎部尾側に4cm大の腫瘤と多発肝腫瘍を認めた.同病院にて試験開腹術を施行し,術中診断は膵腫瘍及び多発肝転移であった.術中に施行した肝生検の組織診断は高分化型膵内分泌細胞癌であった.術後軽快退院後,当院を紹介受診した.血液検査所見では血中インスリン値,ガストリン値,グルカゴン値は正常範囲内であった.以上より,非機能性膵内分泌細胞癌の多発肝転移と診断し,etoposide(ETP)とcisplatin(CDDP)による化学療法を行った.化学療法後の腹部CT検査では膵腫瘍と肝転移巣の増大はなく,新たな肝転移巣も認めず,肉眼的に切除可能と判断し,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術,横行結腸部分切除術及び肝部分切除術を施行した.切除標本の病理組織診断は高分化型膵内分泌癌であり,免疫組織学的にはsynaptophysin(+), chromograninA(-),glucagon(+),serotonin(-),insulin(-),SSTR2a(+)であった.術後14カ月後の現在,残肝再発を認めるも健存中である.

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