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膵臓
Vol. 27 (2012) No. 1 P 26-30

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http://doi.org/10.2958/suizo.27.26

原著

遠隔転移を有する膵癌に対する標準的治療は化学療法であるが,膵癌根治的切除後,肝に限局性再発を来たし,切除の是非に迷う症例が稀に存在する.国立がん研究センター東病院で過去に切除した膵癌肝転移症例7例を分析し,その是非について検討した.同時性3例,異時性4例,原発部位は膵頭部2例,体尾部5例,転移個数は単発6例,2個1例,全例に中等度以上の脈管侵襲を認めた.肝転移切除後無再発生存期間は4.7月(同時性1.1月,異時性9.4月)で,肝転移再発が5例であった.肝転移切除後生存期間中央値(MST)は8.7月(同時性7.5月,異時性20.7月),原発巣切除後MSTは32.6月(同時性7.5月,異時性41.3月)であった.同時性転移に対する切除適応は無く,異時性転移に対しては検討の余地があり,癌薬物療法継続困難となった限局性肝転移症例に対する切除は増加する可能性があり,症例を集積し予後延長効果については慎重に見極めていく必要がある.

Copyright © 2012 日本膵臓学会

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