膵臓
Online ISSN : 1881-2805
Print ISSN : 0913-0071
ISSN-L : 0913-0071
委員会報告
分枝型IPMNの自然史―日本における多施設共同研究―
真口 宏介丹野 誠志水野 伸匡花田 敬士小林 剛羽鳥 隆貞苅 良彦山口 武人飛田 浩輔土井 隆一郎柳澤 昭夫田中 雅夫
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 27 巻 2 号 p. 167-174

詳細
抄録

目的:結節を認めない分枝型IPMN症例の長期経過について検討する.方法:初回診断時にEUSで結節を認めない分枝型IPMN 349例を解析した.結果:観察期間は1~16.3年(中央値3.7年)であり,62例(17.8%)に病変の進展がみられた.うち22例に外科切除術を行い,病理学的には腺癌9例,腺腫13例であった.残りの287例(82.2%)には進展を認めず,症状等の理由で7例に切除術を行ったが,全例腺腫であった.また,分枝型IPMNと別病変として通常型膵癌の発生を7例(2.0%),新たな分枝型IPMNの出現が13例(3.7%)にみられた.全体では320例(91.7%)は経過観察継続中である.結論:EUSで結節を認めない分枝型IPMNの多くは経過観察可能である.しかしながら,経過観察に際し,病変の進展と通常型膵癌の発生に留意する必要がある.

著者関連情報
© 2012 日本膵臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top