膵臓
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特集 急性膵炎の診断と治療:新しい動向
急性膵炎の診断と重症度判定
真弓 俊彦遠藤 武尊染谷 一貴神谷 行宣中野 和歌子大坪 広樹高間 辰雄城戸 貴志亀崎 文彦
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2014 年 29 巻 2 号 p. 157-162

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抄録

急性膵炎の診断や重症度判定は厚生労働省(厚労省)の基準が使用されているが,近年,尿中trypsinogen-2や血中procalcitonin(PCT)が,急性膵炎の診断に有用であることが報告され,また,重症例では,高値であることが示されている.trypsinogen-2は保険収載されたが,厚労省が提示した保険点数が低すぎて採算が合わず,市販に至っていない.trypsinogen-2は尿一般テストテープ検査と同様に容易に判定でき,急性膵炎,特に重症膵炎を一般クリニックなどでも早期に診断/除外可能である.重症膵炎の早期診断・治療,予後改善の観点から,trypsinogen-2の保険点数の再評価と早期の市販化が切に望まれる.また,PCTは感染時の保険適応となっているが,急性膵炎での保険適応も視野に入れた検討が必要である.

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© 2014 日本膵臓学会
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