2015 年 30 巻 6 号 p. 741-747
1996年に急性壊死性膵炎に対する動注療法の有用性が報告されて以来,RCTを含めて動注療法の有用性を支持する多数のエビデンスが集積されている.一方,DPCデータベースを用いた最近のpropensity score matching解析研究では動注群と非動注群との間に死亡率,interventionの頻度に差がみられなかったと報告されている.重症急性膵炎に対する動注療法の有用性はいまだ確立されていないことから,ガイドライン2015(第4版)では,重症急性膵炎に対する動注療法は推奨度なしと記載された.