2015 年 30 巻 6 号 p. 761-766
慢性膵炎診療ガイドライン2009から慢性膵炎診療ガイドライン2015に移行したなかで,高力価パンクレリパーゼ腸溶性製剤,成分栄養剤による治療が新たに取り上げられた.高力価パンクレリパーゼ腸溶性製剤は慢性膵炎の腹痛に対しては弱く推奨(推奨度2)されており(エビデンスレベルB),脂肪便と体重減少を伴う慢性膵炎には強く推奨(推奨度1)される(エビデンスレベルA).有痛時や腹痛発作を繰り返す慢性膵炎に対しては,禁酒・禁煙を中心とした生活指導を行った上で,成分栄養剤による食事療法を考慮してもよい.