膵臓
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総説
ERCP後膵炎の発症,重症化に関する膵管内圧とプロテアーゼ活性化受容体PAR-2のかかわり
明石 隆吉
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2015 年 30 巻 6 号 p. 783-795

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抄録

急性膵炎の発症,重症化に関して,プロテアーゼ(トリプシン)活性化受容体-2(PAR-2)は膵管口閉塞,膵管内圧負荷の有無により真逆の反応を呈する.ERCP関連手技により膵管上皮,膵腺房細胞が侵襲をうけると,トリプシンの活性化によりERCP後膵炎(PEP)が発症する.同時にPAR-2が膵管上皮,膵腺房細胞に発現し,膵管上皮からは膵液分泌を促すことで膵管内の毒物の洗浄を行い,膵の更なるダメージの回避を試みるという膵炎に対しては予防的な作用をする.しかし,膵液分泌が亢進した状況下にファーター乳頭が閉塞していると,膵管口からの膵液排出が困難となるためにPAR-2は更に膵管の洗浄を試みようと膵液分泌を促し,膵管内圧は更に上昇するという悪循環が生じて結果的にPEPは重症化すると考えられる.すなわち,PEPの発症予防,重症化阻止には膵管内圧上昇の回避が重要である.

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© 2015 日本膵臓学会
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