膵臓
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特集 膵癌の早期診断最前線
2.膵癌早期発見に向けた家族性膵癌登録
森実 千種北野 雅之肱岡 範伊藤 鉄英神澤 輝実小杉 眞司古川 徹古瀬 純司眞島 喜幸松林 宏行水間 正道水本 雅己和田 慶太高折 恭一
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2017 年 32 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

家族性膵癌家系の定義は「膵癌に罹患した一対(2名)以上の第一度近親者がいる家系」であり,家族性膵癌家系に属する個人は膵癌の発症リスクが高いことが報告されている.米国Johns Hopkins大学で1994年に家族性膵癌登録制度(NFPTR)が発足し各分野で研究実績を残している.日本でも2014年に家族性膵癌登録制度(JFPCR)が発足,登録が進んでいる.JFPCRを基盤として膵癌の早期発見,発癌の原因遺伝子の検索,治療法開発など,様々な研究開発が期待されるが,中でも膵癌の早期発見は医療ニーズが高い.膵癌発症の高リスク群である家族性膵癌家系が登録,フォローアップされていくJFPCRは膵癌の早期発見を目指した研究開発を行うのに適したプラットフォームといえ,今後の研究開発が期待されている.

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© 2017 日本膵臓学会
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