膵臓
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特集 膵癌の早期診断最前線
7.膵癌早期診断を目指した血清マイクロRNA検査の研究開発
光永 修一小嶋 基寛池田 公史落合 淳志
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2017 年 32 巻 1 号 p. 56-61

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抄録

膵癌は切除不能で見つかることが多いため,血中腫瘍マーカーの診断能の向上が必要である.血中マイクロRNAは細胞内の状況を反映するため,癌診断に活用できると考えられている.近年になり,膵癌検出を目的とした血中マイクロRNA研究が増加しているが,CA19-9の診断能を超えるマイクロRNA検査は報告されていない.一方,我々は,切除可能膵癌の診断能において,血清マイクロRNA検査がCA19-9を超えることを示唆する研究結果を得たため,その診断性能を確認する多施設前向き試験を行っている.このようなマイクロRNAを用いた新規血中腫瘍マーカーの開発により,膵癌診断能の向上を通じて早期発見割合の増加が期待される.

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© 2017 日本膵臓学会
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