膵臓
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症例報告
Gemcitabine+nab-paclitaxelにて腫瘍縮小傾向を認めた多形細胞型退形成膵管癌の一例
冨嶋 享藤澤 聡郎金澤 亮三浦 寛子石井 重登伊藤 智康斉藤 紘昭福村 由紀椎名 秀一朗渡辺 純夫
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2017 年 32 巻 5 号 p. 812-820

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抄録

症例は49歳,女性.背部痛を主訴に受診.造影CTで膵頭部に乏血性の腫瘤を認め,肝臓にも両葉多発の腫瘤を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引法による組織診の結果,退形成膵管癌と診断.化学療法目的に当院へ紹介となり80%doseのgemcitabine+nab-paclitaxelにて治療開始.治療後3か月で画像上,原発巣のわずかな縮小と肝転移巣の著明な縮小を認めたが, 食思不振とperformance status低下にて治療の継続は困難となった.S-1内服に変更するも急激なCA19-9の上昇と全身衰弱にて初診より約4か月で永眠された.病理解剖の結果,多形細胞型退形成膵管癌との診断となった.化学療法を施行した多型細胞型退形成膵管癌の報告は少なく,画像上奏功した症例はほとんどない.本症例は,切除不能多形細胞型退形成膵管癌の治療を検討する上で貴重な症例と考えた.

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© 2017 日本膵臓学会
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