膵臓
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特集 膵切除後の合併症とその対策
膵切除後の膵液瘻に対する予防と対策
小林 良平廣野 誠子山上 裕機
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2019 年 34 巻 4 号 p. 128-137

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抄録

膵切除後の膵液瘻は,腹腔内膿瘍や腹腔内出血といった重篤な状態につながる最も注意が必要な合併症である.これまで多くの研究がなされ,術後膵液瘻の危険因子が報告されている.これらを用いて,膵切除術の手術適応や周術期管理法の決定がなされている.また,新術式の開発が多くなされたが,未だ術後膵液瘻を完全には予防できておらず,今後もさらなる術式の開発が必要である.術後管理において,膵液瘻予防を目指した臨床試験が多くなされ,特にドレーンの早期抜去は,Grade B/Cの膵液瘻の頻度を低下させることが証明された.さらに,膵液瘻による腹腔内膿瘍や腹腔内出血に対しても,内視鏡的治療やangiographic embolizationの技術が向上したため,その死亡率は低下している.膵液瘻を予防するために,今後さらなる手術技術や術後管理の向上・開発を行い,その有用性を証明する大規模な臨床研究が必要である.

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© 2019 日本膵臓学会
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