膵臓
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症例報告
重症急性膵炎を契機に発見された膵神経内分泌腫瘍の1例
葛西 豊高川辺 晃一江藤 宏幸荻野 太郎村松 誠司中原 守康宮原 庸介石川 文彦新田 宙藤田 昌久釜田 茂幸伊藤 博新井 基展谷坂 優樹水出 雅文良沢 昭銘
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2021 年 36 巻 1 号 p. 104-111

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抄録

症例は64歳,女性.重症急性膵炎を発症したため,緊急入院となった.膵鉤部に20mm大の嚢胞を伴う多血性腫瘤を認めた.EUS-FNAにより膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor:pNET)と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.2017年WHO分類ではNET G2,ENETS TNM分類によるステージはT2N0M0 Stage IIaだった.主膵管は腫瘍により圧排されていたが,明らかな浸潤は認めなかった.pNETにおいて急性膵炎の併発は稀とされている.しかし,腫瘍が主膵管近傍を占拠している症例では,急性膵炎を併発し致死的経過をたどる可能性があるため,注意を要すると考えられた.

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© 2021 日本膵臓学会
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