膵臓
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症例報告
左腎細胞癌局所再発が主膵管内進展を来して膵炎を繰り返した1例
赤羽根 綾香元井 冬彦渡邊 利広高橋 利真安次富 裕哉高橋 良輔蘆野 光樹菅原 秀一郎樺澤 崇允
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2021 年 36 巻 2 号 p. 135-141

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抄録

症例は40歳代,男性.3年前に淡明細胞型腎細胞癌に対し左腎摘出術が施行された.残存する肺転移に対する化学療法が開始されたが,術後2年以降に急性膵炎を3回繰り返した.CTで膵尾部に径20mm大の腫瘤性病変が3ヶ所認められ,膵周囲の局所再発が膵炎の原因と考えられた.治療継続のために膵炎制御が必要であり,脾合併膵体尾部切除を施行した.組織学的には淡明細胞型腎細胞癌の局所再発に矛盾しない所見であった.腫瘍は主膵管内を塞栓状に進展しており,尾側膵には慢性炎症像を伴っていた.以上から,繰り返す膵炎は腫瘍による主膵管閉塞が原因と考えられた.腎細胞癌はしばしば下大静脈内へ進展する特徴的な臨床像を呈するが,本症例での主膵管内進展では,被膜形成などの病理学的特徴は認めなかった.本症例では膵炎制御により原発巣の治療を再開・継続することができ,局所再発切除の相対的適応の意義があると考えられた.

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© 2021 日本膵臓学会
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