膵臓
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症例報告
急性膵炎で発症し,診断に苦慮した膵粘液癌の1例
山田 翔寺田 卓郎野村 佳克三井 毅
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2021 年 36 巻 2 号 p. 177-187

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抄録

症例は70歳,男性.近医で急性膵炎にて入院加療.その後のMRIで膵尾部に腫瘤を認め,精査目的に当科に紹介.PET-CTで膵尾部の腫瘤に集積は認めず,病理診断も陰性であったため,良性病変と判断し,短期での経過観察とした.半年後の精査でも,膵尾部の腫瘤に大きな変化はなかった.1年後には膵尾部の腫瘤は緩徐に増大し,PET-CTでも軽度集積を認めたため,膵尾部癌疑いにて開腹膵体尾部脾臓合併切除術を施行した.術後病理診断は膵粘液癌pT2N0M0 Stage IBであった.

急性膵炎発症であること,腫瘍マーカーは陰性で,EUS-FNAにより細胞診4回とERPでの膵液擦過細胞診1回,連続膵液細胞診2回の病理診断は全て陰性であったため,悪性と診断するのに苦慮した.膵粘液癌であることが悪性と診断する上でさらに難しくした症例であり,文献的考察を踏まえ報告する.

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© 2021 日本膵臓学会
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