膵臓
Online ISSN : 1881-2805
Print ISSN : 0913-0071
ISSN-L : 0913-0071
原著
Endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration検体を用いた根治切除不能膵癌に対するマイクロサテライト不安定性検査の成績
渡辺 真郁奥脇 興介岩井 知久金子 亨長谷川 力也松本 高明上原 一帆升谷 寛以安達 快蓼原 将良中谷 征吾黒須 貴浩湊 尚貴玉置 明寛石崎 あや那石崎 純郎花岡 太郎眞部 優作井廻 佳菜鴻上 太郎松下 昌裕今泉 弘木田 光広草野 央
著者情報
キーワード: EUS-FNA, 膵癌, MSI
ジャーナル フリー

2022 年 37 巻 5 号 p. 257-264

詳細
抄録

【背景】高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する固形癌に対するペムブロリズマブの有効性が報告された.膵癌診療ではMSI検査を念頭に置いた適正検体の採取が重要であるが,MSI検査の解析不能に影響する因子は明らかにされていない.【方法】Endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration(EUS-FNA)で膵癌と診断した症例のMSI検査結果を前向きに集積した.【結果】MSI検査は73例中72例(98.6%)で解析可能でMSI-Hは1例だった.解析不能の1例はEUS-FNAからMSI検査まで584日を要し,検体のDNA分解が解析不能の原因であった.【考察】EUS-FNA検体を用いたMSI検査は高い解析成功率を有し,解析不能に影響する因子は同定できなかったが,検体の長期保存例はDNA分解による解析不能が生じる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2022 日本膵臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top