日本海水学会誌
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報文
CO2/NH3気泡を用いたCaCO3の反応晶析
-気泡径およびCO2/NH3モル比が結晶多形に及ぼす影響-
松本 真和福永 知洋鈴木 将土尾上 薫
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2010 年 64 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

本研究では,CO2/NH3微細気泡の導入により生じる微細な気-液界面を結晶核化が進行する新規な反応場として用い,CaCO3の結晶構造(多形)を制御するための晶析技術の開発を行った.微細な気-液界面では,気泡の微細化およびCO2へのNH3の混合による局所過飽和場の生成にともない析出多形の変化が期待できる.反応温度が298Kにおいて,Ca(NO3)2水溶液に自吸式気泡発生器を用いてCO2/NH3/N2気泡を連続供給する半回分式反応によってCaCO3を晶析させた.反応晶析中の水溶液pHは,HNO3およびNH4OH水溶液の滴下によって9.7で一定に保った.平均気泡径(dbbl)は,N2モル供給速度の制御によって40 - 1000μmの範囲で変化させた.CO2モル供給速度が一定の条件下でCO2/NH3モル比(αCO2/NH3)を0.20 – 1.00の範囲で所定値に設定した.dbblおよびαCO2/NH3の変化によって,気泡の微細化およびCO2へのNH3の混合がCaCO3の多形現象に及ぼす影響について検討を行った.その結果,CO2/NH3微細気泡を用いたCaCO3の反応晶析では,dbblの減少にともない析出多形がバテライトからアラゴナイトに変化すること,および,気泡の微細化にともなうアラゴナイトの生成はαCO2/NH3の減少により顕著に促進されることを明らかにした.

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© 2010 日本海水学会
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