2025 年 79 巻 1 号 p. 22-27
塩の粒径測定では,標準的なふるい分け法以外の方法を適用して工程を簡素化,効率化することが望まれている.そこで,ふるい分け法に代わる粒径測定の手段として画像解析法を適用するためデータ補正方法を検討した.まず,画像解析法とふるい分け法のデータを比較可能とするため,数万点の画像解析データをふるい目開きと同じ粒径区分で分割し,区分ごとの代表値 (粒子体積の積算値)を算出することにより,データ数をふるい分け法と同一とした.次に画像解析に特有の現象である粒子が画像に捕捉される角度による粒径のばらつきや,ふるいの種類が測定値に与える影響を補正するための数式を作成した.これらの補正式を立方体の塩および不定形の塩の粒径測定に適用したところ,ふるい分け法と画像解析法で測定された平均粒径 (d50)の相対誤差が 9 % 以上から 5 % 以下に減少した.これらの結果から,適用された補正が実用的であり,画像解析法がふるい分け法に代わる方法として高い可能性を持つことが確認された.