日本海水学会誌
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蛍光X線分析法を用いる海水および河川水中の臭化物イオンの定量
環境分析に関する研究 (第38報)
平 幸夫前田 嘉道安積 敬嗣
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1988 年 42 巻 3 号 p. 109-113

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抄録
水中の臭化物イオンを臭化銀として沈殿させて蛍光X線分析法で定量する方法について検討した結果を要約すると,
1) 検水に硝酸銀溶液 (1gAg/l) 10mlを加え, 30分間放置熟成すると, 臭化物イオンが定量的に沈殿する.
2) 0~100μg/lの範囲で検量線は良好な直線性を示し, 検出限界は2.1μg/l, 定量下限は7.0μg/lであった.
3) 本法は塩化物イオンおよびヨウ化物イオンの1mgの共存でも影響がなかった.
4) 本法は100~700mlの範囲で検水量の影響を受けない.
5) 海水, 河川水中の臭化物イオンの定量に本法が十分利用できることがわかった.
6) 本法を用いて電気透析法によって製造したかん水中の臭化物イオンを定量した結果, イオン交換膜は塩化物イオンに比べて臭化物イオンのほうが1.8倍濃縮しやすいことがわかった.
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