2003 年 57 巻 2 号 p. 134-137
市販食用塩中のヨウ素量をICP-MS法により測定した結果, 塩種別に以下のような特徴が示された. 海水を蒸発濃縮した塩のヨウ素量は, 平均値が0.3mg/kgと他の塩種に比較して多く, 塩化マグネシウム量に比例して含まれる傾向があった. 輸入天日塩を溶解再結晶した塩のヨウ素量は, 0.1mg/kg未満と少なかった. イオン交換膜電気透析法によるかん水から製造した塩は, 一点を除き0.2mg/kg未満であり, この塩種におけるヨウ素量の差の要因として, イオン交換膜電気透析でのヨウ素の濃縮特性に違いがあることが推測された.