抄録
近赤外分光法による濃縮海水の塩素濃度の迅速測定の可能性を探るため, 異なるサンプル温度のもとで濃縮海水の近赤外スペクトル (1100-1800nm) を測定し, 塩素含量との関連性を検討した上で, PLS回帰分析を行った. サンプル温度の変動はスペクトルに強い影響を及ぼしたが, 温度補正型の予測モデルの開発によりその影響を取り除くことができた. その結果, 2次微分スペクトルから, 濃縮海水の塩素濃度を高い精度 (相関係数が0.99以上) で予測でき, 濃縮海水の計測への近赤外分光法の利用性を示した.