大気環境学会誌
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総説
エアロゾル、酸性霧、酸性雨、アンモニア、越境大気汚染研究の30年間
村野 健太郎
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2009 年 44 巻 3 号 p. 129-135

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抄録

これまで行ってきたエアロゾル、酸性霧、酸性雨、アンモニア、越境大気汚染研究について概説した。吸引流量が大きいテープエアサンプラーとイオンクロマトグラフィーの導入により東京首都圏地域上空で、約5分間の時間分解能で硫酸塩や硝酸塩の分布を測定することが出来た。東京首都圏地域からの大気汚染物質の流入地帯である北関東の赤城山で、酸性霧の研究を開始し、低pH、高硝酸イオン濃度の酸性霧の存在を明らかにした。越境大気汚染問題は大気汚染物質観測、酸性雨長距離輸送モデル、大気汚染物質発生源インベントリーの3者の連携が必須であると考え、3者の研究を連携させて行ってきた。酸性雨自動IC分析装置を開発し、三宅島の噴火に基づく強酸性雨を解析した。アンモニア研究の重要性を指摘し、アンモニアの日本、韓国におけるグリッド別アンモニア発生量マップを作成した。さらに、アンモニアの広域分布に関する研究を進めている。

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© 2009 社団法人 大気環境学会
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