大気環境学会誌
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原著
機械通風式冷却塔からの白煙予測手法(その3)
―白煙予測モデルの開発―
道岡 武信佐藤 歩下田 昭郎佐田 幸一市川 陽一大蔵 革
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2009 年 44 巻 5 号 p. 227-235

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抄録

我が国の機械通風式冷却塔からの白煙,湿度,温度および液滴飛散量を予測するための解析解モデルを開発した。本モデルは冷却塔ファン位置,大気安定度,大気の気温減率を考慮でき,さらに湿式・乾式併用冷却塔にも適用可能である。既存モデル(FOGモデル,SACTIモデル)および本モデルの精度を検討するために,我が国の機械通風式冷却塔での実態観測から得られた白煙長さ・高さ,地表面温度・湿度,液滴飛散量を比較検討した。その結果,FOGモデルおよびSACTIモデルでは冷却塔からの白煙を精度良く予測できないこと,また,SACTIモデルでは液滴沈着量を過小評価する傾向があることがわかった。一方,本モデルから予測した白煙長さ・高さ,地表面温度・湿度,液滴飛散量は実態観測値に良く一致しており,各種統計値から判断しても既存モデルより精度良く白煙予測可能であることが明らかとなった。

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© 2009 社団法人 大気環境学会
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