抄録
東京郊外での大気質の評価を行うために、八王子市の首都大学東京南大沢キャンパスにて揮発性有機化合物(VOCs)58種類の7年間にわたる長期観測を行った。観測は2002年5月から2008年12月までで、サンプルはおよそ1週間に1個のペースでサンプリングを行い、GC-FIDを用いて分析を行った。7年分のデータから経年変化を調べたところ、ベンゼンでは濃度に減少傾向が見られたが、測定したそれ以外の物質では明確な傾向は見られなかった。植物起源のものや燃料の揮発による影響をうけるVOCsは夏季に濃度が高くなる季節変化をしたが、多くの物質は明確な季節変化は見られなかった。測定したVOCs濃度からOHとの反応性(kOH)とオゾン生成ポテンシャル(OFP)を算出した。VOCs濃度、kOH、OFPを季節ごとで比較すると、それぞれで重要になるVOCsが異なっていた。また、アルカン・アルケン・芳香族・植物起源VOCsの寄与はVOCs濃度、kOH、OFPで違いが見られた。大気質の診断には目的に応じた指標を使うことが重要である。