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大気環境学会誌
Vol. 45 (2010) No. 6 P 271-278

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http://doi.org/10.11298/taiki.45.271

原著

大都市郊外の大気中に浮遊するサブミクロン粒子(PM1)の特性を明らかにするため,連続通年観測をPM2.5と並行して2005年4月から実施した。PM1捕集装置はSharp cut cyclone(SCC)を利用して作製した。PM1の年平均濃度は15.5-18.3 μg m-3の範囲であり,PM2.5は19.4-22.5 μg m-3であった。PM1とPM2.5の週平均濃度には高い正の相関(r = 0.92, n = 186)が見られ,PM1/PM2.5は0.84±0.11であった。主要化学組成の比較を行ったところ,NH4+,SO42-及びTCのPM1/PM2.5は年間を通じてほぼ一定であり,0.74-0.88の範囲であった。これに対して,Na+,Mg2+及びCa2+では値は大きく変動し,冬季に最も低い値となった。この要因として,乾燥した田園の表層土壌の一部が,冬季の強風によって巻き上げられ,PM2.5中に含まれたと考えられた。PM1及びPM2.5に含まれる成分毎の相関係数は,NH4+,Cl-,NO3-,SO42-及びTCでは0.90以上となったが,Mg2+は0.17,Ca2+は0.10でほとんど相関が見られず,Ca2+の回帰式の傾きは0.02であった。PM2.5中に一部含まれる土壌系粒子の影響がPM1ではほとんど見られないことが分かった。このことから,PM1は人為起源粒子由来の微小粒子の評価指標として優れていることが明らかとなった。

Copyright © 2010 社団法人 大気環境学会

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