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大気環境学会誌
Vol. 46 (2011) No. 2 P 101-110

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http://doi.org/10.11298/taiki.46.101

原著

3次元大気シミュレーションにより、2005年度の日本三大都市圏PM2.5濃度に対する発生源・越境輸送の感度解析を行った。各発生源の感度は、その排出量を有無とした計算ケースにおける濃度計算値の差から算出した。PM2.5濃度に対する発生源の感度には地域や季節による明確な違いが見られた。大阪・兵庫圏では国外の人為発生源の感度が高かったが、愛知・三重圏、首都圏、東京23区の順に小さくなる一方、国内発生源の火山、船舶、自動車排気、自動車以外燃焼、NH3の感度が高くなった。季節による気象条件の違いにより、夏には火山と船舶、春と秋には国外の人為発生源、冬には大阪・兵庫圏と愛知・三重圏では国外の人為発生源、首都圏と東京23区では国内発生源の感度が高かった。火山、船舶、国外の人為発生源はSO42-、国内の自動車排気、自動車以外燃焼はNO3-、NH4+、元素状炭素(EC)、一次排出有機粒子(POA)、生物起源やVOC蒸発は二次有機粒子(SOA)に対する感度が高かった。また、NO3-、NH4+に対するNH3の感度が高く、かつ強い非線形性を示した。ただし、シミュレーションによるPM2.5濃度計算値は年間を通して3~4割の過小評価であり、EC、有機炭素(OC)の過小評価がその主要因となっている可能性が高い。実大気中でEC、OCに影響を及ぼしている発生源の感度も必然的に過小評価になっており、今後のシミュレーションの改良が必要である。

Copyright © 2011 社団法人 大気環境学会

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