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大気環境学会誌
Vol. 46 (2011) No. 2 P 131-138

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http://doi.org/10.11298/taiki.46.131

技術調査報告

2009年4月から1年半の間,異なる2つの手法でPM2.5の並行測定を行った。一つは環境省により定義された標準測定法(Run 2ref)であり,もう一つは,これと捕集期間,フィルター材質,調湿条件が異なる方法(Run 1)である。PM2.5サンプラーとして2台のPartisol Plus 2025(Thermofischer Scientifc)を用いた。解析の対象として,2009年9月から2010年8月の358個の1日単位捕集の試料と,51個の週単位捕集の試料を用いた。質量濃度と水溶性無機イオンの比較を行ったところ,質量濃度ではRun 1とRun 2refはほぼ一致した(Run 1/Run 2ref = 0.97, s.d. = 0.16, n = 51)。月別の質量濃度比は2009年9月-2010年2月及び4月は1.00±0.05であったが,その他の月は0.88-0.93であった。粒子体が半揮発性を有する塩化物イオンと硝酸イオンでは,Run 1/Run 2refは冬季に増加,夏季に低下した。粒子体が安定して存在する硫酸イオンのRun 1/Run 2refは,予想に反して0.35-0.82となった。付加的実験により,捕集後にサンプラー内に保存されたフィルター及び粒子に,夜間に前駆物質である二酸化硫黄が溶け込むことによると考えられる硫酸イオンの濃度増加が確認された。全ての季節で,水溶性無機イオンの濃度差の合計は,質量濃度の差を上回っていた。この原因として,恒量化の湿度とフィルター材質の差に起因する湿度の影響が考えられた。

Copyright © 2011 社団法人 大気環境学会

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