大気環境学会誌
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原著
清浄地域におけるガス状硝酸の日内変動要因解析
弓場 彬江定永 靖宗高見 昭憲清水 厚松井 一郎杉本 伸夫畠山 史郎竹中 規訓坂東 博
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2012 年 47 巻 1 号 p. 26-32

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抄録

窒素酸化物はNO, NO2, NO3, HONO, N2O5, ガス状硝酸(HNO3), 粒子状硝酸(NO3-(p))などで構成され、その特性はそれぞれ異なる。清浄地域の大気環境に与える影響を評価するうえでその濃度および組成が重要となる。そこで沖縄辺戸岬において総反応性窒素酸化物(NOy) , HNO3, NO3-(p)の連続測定を行なった結果からNOy、HNO3およびNO3-(p)の日内変動を求め、清浄地域が近傍から受ける影響について解析を行なった。NOy, HNO3濃度はそれぞれ11時前後、14時前後に濃度ピークを持ち、NO3-(p)は日中に濃度が最小になる日内変動パターンを示した。NOy, HNO3, NO3-(p)の日内変動と気象条件との相関性について解析を行なった。その結果、HNO3/NOyの日内増加量と日射量との間に正の相関があることが明らかとなった。そのためHNO3濃度の日内変動の要因として清浄地域近傍におけるHNO3の光化学生成の影響が考えられる。HNO3については清浄地域において近傍からの影響が無視できないと考えられる。

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© 2012 社団法人 大気環境学会
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