大気環境学会誌
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原著
日本における自動車由来大気汚染物質排出の 30 年史
神成 陽容國領 和夫
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2013 年 48 巻 1 号 p. 20-34

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抄録

1980年から2010年にかけてのNOx, PM, SO2, CO, NMHC, NH3 , CO2等の我が国における自動車からの総排出量を、最近の知見をふまえて推計した。推計モデルは、排気管から排出されるホットランニング排出、コールドスタート排出、NMHC の蒸発排出の各モデルからなる。各汚染物質の排出量は、走行量の変化、貨物車のディーゼル化の進行、一時的なディーゼル乗用車の流行、2ストローク軽自動車の退場、排出規制の段階的な強化、それに対応した排出対策技術の革新、燃料中の硫黄分の大幅な低減、ガソリンRVP の抑制 等の歴史的な変化を受けて、固有の推移をたどったことが推定された。これらの知見は、環境濃度の推移に関するデータ解析やシミュレーションによる再現、あるいは社会学的評価において有益であると考えられる。

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© 2013 社団法人 大気環境学会
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